特集 新任看護婦のためのオリエンテーションプログラム再考
臨床現場での個別指導の取り組み
地石 孝子
1
,
高山 昌子
1
1滋賀県立成人病センター看護部
pp.91-97
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901803
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「看護の質はそれを行なう人間の質だ」とつくづく思い溜息の出ることがある.何を指して人間の質というかを論じることは難しいけれど,看護の場合,人間性とか教養といわれるようなものを含めたその人の持つ文化が,最終的には行動を左右すると私は考えている.文化は自分が創り上げていくもので狭い意味の教育=院内教育などで形成されるものでない.しかし院内教育,特に新人の教育は,自分で創っていく看護婦としての文化の一番根底を成すものだと考える.
……と書きだしてはみたものの,ほんとうのところは,学校を出ただけでは,免許を持っただけでは臨床で動けない.とにかく何とか動いて(働いてではない)もらいたい.やめないで1年経過させたいというせっぱつまった最低限の願いをこめて,人不足,金不足,仕事だけは多いという臨床の現場で,「やるしかない」の状況の中で行なっていることを書かせていただくことにする.
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