特別寄稿
産科診療所からみた就労妊婦—個別的な保健指導のために
尾澤 彰宣
1
1根本産婦人科
pp.330-336
発行日 1987年4月25日
Published Date 1987/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207115
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はじめに
児童憲章の第1に,「すべての児童は,心身ともに,健やかにうまれ,育てられ,その生活を保障される」と定められている。母子健康手帳は,この憲章の実現のために存在する。そして,この手帳のよいお母さんになるための項目に,妊娠中の日常生活として,「妊娠満11週(第3月)頃までと満28週(第8月)以降の仕事のしかたや休息の方法に十分注意してください」と,また,役に立つ保健指導として,「日常生活を医師,助産婦に指導してもらいましよう」と明記されている。
働きながら,妊娠し,分娩に至ろうとしている妊婦に対し,この母子健康手帳を活用させ,身近に保健指導の手を差しのべることのできる助産婦の活動分野は広い。労働と妊娠・分娩に関する調査結果をふまえて,日常臨床で接する就労妊婦の保健指導上の問題点について,その視点の一端にふれることにする。
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