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研究のまとめ方と発表の仕方(その1)
品川 信良
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.285-293
発行日 1978年5月25日
Published Date 1978/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907209
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はじめに
世の中のことは何でもそうなのかも知れないが,‘研究’やその‘発表’ということについても,これを非常に難しく考える人があるかと思えば,きわめて気安く,甘く考えている人もある.‘研究’ということが,ごく一部の限られた人びとの特権的な仕事であったうちは,研究者の‘質’にそれほど大きな差はなかったためか,余り大きな問題はなかったが,昨今のように,その層が厚くなり,幅が広くなって,いわゆる研究人口が増えてくると,色々な問題がないわけでもない.
由来‘医学関係’や‘看護関係’などの研究や論文のなかには,他の学部や専門研究分野の人びとにいわせると,いい加減な研究や未熟な論文,特に‘悪文’が非常に多いといわれている.その典型的な,研究者のはしくれの1人でもある私が,こんなことをいっては笑われるのが関の山であろうが,その私などがみても,看護(婦)界や助産(婦)界などの研究や論文や講演のなかには,‘これでいいのか’と,ハラハラさせられるものが少なくない.
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