誌上シンポジウム これからの保健医療教育
報告・1 医学教育の今日的課題
牛場 大蔵
1
1慶応義塾大学医学部
pp.76-80
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907065
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.医学教育の改革はなぜ必要か
医学教育は改革されねばならない,との叫びを聞いてすでに久しい.その声はとくにわが国内で激しいと思われがちであるが,実際には,国際的なものとして広く世界中の話題となっているようである.それではいったい,なぜ改革が必要なのであろうか.まずこの点を初めに考えてみたい.
いうまでもなく,医学・医療の日進月歩により新しく必要な知識が激増し,しかもそれは急速に陳腐となってはまた新しいものにとって替わられていく.その情報量の大きさを考えてみただけでも,そのなかの何を医学教育,とくに学部教育において教えるべきかについて,惑わない人はないだろう.このことをつきつめていけば,学部教育での教育方法そのもの,言葉を換えれば学習者の学び方そのものの在り方を根本的に変える必要があるのではないか,という疑問が教育に携わる者には浮かぶはずである.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.