Japanese
English
シンポジウム 境界例の診断と治療
境界例の今日的課題
Borderline Syndrome: an overview
皆川 邦直
1
Kuninao Minakawa
1
1東京都精神医学総合研究所
1Tokyo Institute of Psychiatry
pp.319-330
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903221
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■境界例概念の変遷
我が国では井村37)が,Hochらの偽神経症性分裂病32〜34),Zilboorgのambulatory schizophrenial29,130)と,Knightの境界状態55,56)を中心に境界例概念を紹介した。続いて武田は,境界例(境界線症例)116)の臨床記述をしたが,Shenken105)の考えをも参照して,仮性神経症型,妄想反応型,混合型(中間型)3型に分類した。
ところでHoch,Zilboorg,Bychowsky5,6)らは境界例を分裂病概念の内側ないし辺縁にあるものとしてとらえていたといえるが,この流れはKetyらの境界分裂病50,122),ならびに分裂病型パーソナリティ障害110,111)に至るといえよう。我が国では武田,小此木-岩崎94),三浦-小此木ら74〜77),笠原-藤縄ら12,43),安永124),神田橋41,42),河合47),船橋-村上ら13,44,84)などの研究を含めることができる。
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