特集 健康教育時代
健康教育の経緯と今日的課題
橋本 正己
1
Masami HASHIMOTO
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.4-7
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206632
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戦後新しい時代の幕あけとともに,公衆衛生における教育至上主義が唱導されてから,早くも30余年の歳月が過ぎた.この間,日本社会の変化は激しいものであったが,その直接,間接の影響を受けて,日本人の健康問題の変貌もかつて世界に類のないものであった.
近年日本は,感染症の克服によって,世界屈指の長寿国となったことは,周知のとおりである.このため疾病,死亡の主体は慢性退行性疾患となったが,これらは個々人の乳幼児期,青壮年期の日常生活の習慣の集積の結果として習慣病的な性質がきわめて強い.健康教育の至上の意義が今日ほど問われている時代は,ないというべきであろう.
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