講座 教育の方法
社会教育の考え方と進め方
岡本 包治
1
1立教大学文学部
pp.489-494
発行日 1975年8月25日
Published Date 1975/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906909
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I.社会教育とは
社会教育という言葉ほど多様な用いられ方をしてきたものは珍しいといってよい.それは,古くしては‘社会における人生勉強’や実用的経験など社会経験のすべてを意味するものとして位置づけられたこともある.いや現在でもなお,こうした見方は世上一般には少なくない.
また社会教育は,社会の意図的・無意図的形成のすべてであるとも理解されてきた.そこには,学校教育をも含めた社会教育の考え方がみられるのである.それどころか無意図的形成という,今日では通常,教育としてはとらえられない形成の領域をも包摂しているのである.この立場からは,もともと教育とは社会教育のことであり,その中から学校教育が抽出されてきたのだという見解が打ち出されてくることとなる.
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