未知の看護書をたずねる・2
江戸時代の看護書“病家須知”その1
山根 信子
1
1東海大学医療技術短期大学看護科
pp.425-431
発行日 1975年7月25日
Published Date 1975/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906901
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はじめに
江戸時代の看護は,多くは家庭の主婦によってなされており,他人を雇うことはあっても今日のような職業的看護ではなく,主として肉親によって行われる家庭看護であった.しかし助産は純然たる職業となり,ますます発達していった時代である.そのような背景の中で生まれた看護書は,多くは産褥看護,小児養護の書であり,家庭看護の時代であったにもかかわらず,みるべき家庭看護書は少なく,これから紹介する“病家須知”をもって代表としているようである.このことは次に述べる文献から推察できるのではなかろうか.
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