日本看護協会看護教育問題研究会分担研究報告・3
看護婦の継続学習に関する報告(1)—働きながら大学に学ぶ看護婦の動態からみた継続学習の在り方
外口 玉子
1
,
中山 洋子
2
1東京都精神医学総合研究所医療看護研究室
2国立武蔵養療所
pp.33-40
発行日 1975年1月25日
Published Date 1975/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906850
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I.研究の意義
今日ほど多くの人々が組織の中で自己の実現を望み,学習し続け,新しい状況に即応していく努力を迫られている時代はないであろう.看護婦にとってもそれは例外ではない.否,むしろその働きの上からも,個々の看護婦が現実に直面し,その中の看護体験を自らの看護観・人生観との関連において意味づけしていく力を期待されている.
しかしながら,こういった意味での継続学習を,実際に看護婦が看護を行っている場において行うことは,極めて困難な現状にある.このような現状をもたらす要因や条件については,既に多くの指摘がなされてきているが,現実の改善の力とはなり得ていない.例えば,各種学校としての看護基礎教育課程が,卒後の継続学習の基盤を準備できていないということは,ここ20数年来,叫ばれてきている問題であるが,いまだ抜本的な対策はとられてきていない.また,医師の治療介補者としての役割を強調した伝統的風潮と,厳しい条件下の職業生活の中で,ともすれば,自律性の乏しい,ルーティン・ワークに押し流されやすい看護婦にとっては,自分の行っていることを自覚的にフィード・バックしていくことができず,看護への関心を見失わさせていく力に抗しきれないでいる.
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