看護婦の継続学習に関する報告・2
働きながら大学に学ぶ看護婦の動態からみた継続学習の在り方
外口 玉子
1
,
中山 洋子
1
1東京都精神医学総合研究所医療看護研究室
pp.612-630
発行日 1976年10月25日
Published Date 1976/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907031
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はじめに
看護が‘人と人との働きかけ’が強調される仕事である以上,それを担う看護婦がさまざまな人々とのさまざまな体験の中で‘より学びつづけたい’という思いを絶えず刺激され,自らの成長をかりたてられていくのは必然であると考える.そうした学習をする場や手段はいかなるものであってもよいと思う.それは無自覚であれ,自覚したものであれ,それなりにその人の仕事ぶりの中な反映され,還元されるものだからである.
しかしながら,長年,気にかかっていたことであるが,身近にいる看護婦仲間たちの‘学習の求め方’が,それまでの仕事の上に積み重ねていく方向ではないように思えてしかたがなかった.とりわけ,本調査の対象となった人々,すなわち,‘看護内部から外部に出て行って学習しようと個々に動機づけられ,大学に進学した人々’が,それまで自分の行ってきた看護の仕事の中で,学習の必要性を痛感したものであるのか,看護の仕事をしている自分に何かを感じて,いったん離れて見つめてみようと進学しようとしたものなのか,あるいは,看護基礎教育課程への不満が大学への憧れとなっていったものなのか,がわからなかった.
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