教育月評
横井庄一さんの帰還と教育のおそろしさ
伊ヶ崎 曉生
1
1国民教育研究所
pp.91-95
発行日 1972年2月25日
Published Date 1972/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906554
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生きて虜囚の辱を受けず
2月2日,28年間グァム島にとじこもり生をながらえた横井庄一さんが31年ぶりに日本に帰還されました.老いも若きも,男も女も横井さんの生還に目をみはりました.その受けとり方も,反応のしかたもさまざまです.一方で横井さんの精神力をたたえ,これを自衛隊や軍備強化に利用しようとする人たちも一部にはおりますが,大部分は2度と横井さんの悲劇,戦争の悲劇をくりかえしてはならないとうけとめているように思います.
横井さんの記者会見をテレビでみて,‘戦前の軍国主義思想の化石’と表現した人がありました.たしかに27年前まで圧倒的な国民は横井さんと同じ考え方にさせられていました.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.