書評
三村 將 監修 酒井 浩,宮口 英樹,横井 賀津志 編集「作業療法に役立つ臨床推論—高次脳機能障害の生活障害を分析する推論思考過程の理解—」
種村 留美
1
1神戸大学大学院保健学研究科
pp.169
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202747
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本書は,臨床で出合う高次脳機能障害の生活障害に対する推論思考過程について述べられたテキストである.項目立ては,第1章・第2章で作業療法の臨床推論の基礎と推論過程を,第3章で高次脳機能障害のアセスメント,第4章で神経症状から考える臨床推論,第5章ではレジュメにおける臨床推論の組み立て,第6章で臨床推論に役立つ画像の見方と考え方,最終章の第7章では事例を通した推論過程の理解という構成になっている.
臨床のなかでは,特に高次脳機能障害の症状は,「Why?(なぜ?)」「What?(これは何?)」「How?(どうして?)」というさまざまな臨床疑問が渦巻く.それを丁寧に紐解き,掘り下げていくのが臨床推論である.この臨床推論がうまくいくとクライエント一人ひとりにオーダーメイドの介入ができる.
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