書評
―岩田健太郎,豊浦麻記子 著―感染症外来の帰還
徳田 安春
1
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・総合診療科
pp.214
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101643
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『…の帰還』というタイトルから,筆者の頭にはまず,立花隆氏の『宇宙からの帰還』が浮かんだ.立花氏のノンフィクションは,宇宙から帰還した宇宙飛行士の精神世界の変貌を詳細に報告した大作である.研修医世代では,RPGのファイナルファンタジーⅣ「月の帰還」などを連想するだろう.でも,「はじめに」を読み進めると,『感染症外来の事件簿』を書き直したということで,“帰還”というタイトルとなったことが理解できるようになる.
『感染症外来の事件簿』は“帰還”すると変貌していた.岩田氏の前著の読者対象は研修医となっていたが,本書の対象は「より幅の広い臨床医」となっている.しかも今回は,沖縄県立中部病院インターン時代の同級生である豊浦麻記子氏との共同執筆ということで,小児科領域の感染症診療もカバーしている.
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