書評
―奈良 勲,鎌倉矩子(シリーズ監修)梶原博毅,横井豊治(編)―『《標準理学療法学・作業療法学専門基礎分野》「病理学 第3版」』
内山 靖
1
1名古屋大学医学部保健学科
pp.720
発行日 2009年8月15日
Published Date 2009/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101469
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●なぜPT・OTが病理学を学ぶのか,どこまで学べばよいのか
2009年2月に,標準理学療法学・作業療法学シリーズ専門基礎分野『病理学』第3版が発行されました.初版が発行された2000年から6刷を経て,2003年に第2版が発行されています.その後も順調に5刷を重ね,今般,一層成熟した内容として第3版が発行されるに至りました.
病理学は,疾病の原因と病態発生についての学問で,医師にとって極めて重要な領域です.かつて,臨床系教授が定年になる時期を迎えると,「○○教授の誤診率は△△%でした」という記事や話題を耳にするほど,病理学的な診断を基準として臨床能力の一側面を評価しようとする風潮があったほどです.医学教育モデル・コアカリキュラムには,大項目である医学一般の原因と病態として,遺伝子異常と疾患・発生発達異常,細胞障害・変性と細胞死,代謝障害,循環障害,炎症と創傷治癒,腫瘍が挙げられています.また,その後の大項目の病態,診断,治療においても病理学の重要性が示されています.
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