この本を一冊
—沼野 一男編—看護教育の技法
伊藤 暁子
1
1東京都立第一高看学院
pp.41
発行日 1971年4月25日
Published Date 1971/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906448
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「つまらない講義は,一般的に看護を担当する先生に多い」と看護学生は率直に訴える。授業をしながら,看護教師はなにか満たされないものを感じる。これらは看護学校でしばしばみられる事実である。なぜであろうか—?
本書“看護教育の技法”は,この素朴な疑問に明確な解答を与えてくれた。“自分が教えたいと思ったことを,すべて学生に講義したといえる教師はたくさんいるであろうが,教えるべきことをすべて学生に,確実に学習させることができたといえる教師はほとんどいない。”と,著書は「教師は専門職か」と題する本書の冒頭で述べている。いわば,ごく当り前な教師の姿を示したにすぎないこの一文は,私を含めて,今日の看護教師をクローズアップしたものに感じられ,胸をぐさりと刺された思いであった。
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