特別掲載 第23回公衆衛生学会シンポジウム
保健婦業務改善に関する諸問題 第23回公衆衛生学会開催・全容収録
保健婦の養成教育の問題
木下 安子
1
1東京大学・保健学科
pp.146-148
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203851
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養成施設と教育内容
保健婦学校養成所は全国41ヵ所約1,000人が在学しています。その多くは公立で,大学3,短大専攻科2,保健婦と助産婦の教育をあわせるものが2,1年コースが33,8ヵ月コース1校です。入学者は最近一般教育歴は高校卒が99%,看護教育歴では3年制卒が93%とほぼ水準が一定化してきているように思います。これらの学校の各種学校の形態を取っている養成所の教務主任がご協力くださって得られた資料から現状と問題点を述べてみたいと思います。
養成施設について,その多くが都道府県立の公立でああことは,保健婦業務の性格から望ましい姿ではあるけれども,学院長の兼任が64%。専任学院長はわずか3分の1にすぎない。兼任者の身分は,都道府県の衛生,厚生,労働部の部課長,県立病院長,保健所長が多い。このことは養成施設が衛生行政のワクの中に位置づけられ独立した学校形態を取っていないことを示すように思います。保健婦業務の内容から地域住民の立場でものを見感じ,そこから保健問題の解決を展開するということが望ましいけれども,こういう形態の中では行政施策の実行者,実行する技術者としての立場の教育が強くなりがちではないか。そういう意味からやはり独立した教育機関になることが望まれる。次に非常に少数の専任者によって運営されているということ。学校規模が非常に小さいので,専任職員も少なく指定規則の最低線2名が80%という現状。
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