連載 医療保障講座
医療保障と現行関係法の考え方・3—医療保障の「原点」とは何か
佐藤 進
1
1金沢大学
pp.56-60
発行日 1970年8月25日
Published Date 1970/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906366
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筆者は,現行の医療関係法について,主として「医療保障」の現状と「原点」について,わが国で制度的定着をみている「医療保険制度」法制を主軸にその現行法の底にある考え方をのべてきた。しかし,見方によっては,これは患者側である受益者に対する医療給付を中心に説明してきたことになる。この点,医療従事関係者も,他面では医療の需要者なのであるから,自ら主体としても,客体としても自ら問題に当面するからという点で同じになるという配慮もあったからにほかならない。
とにかく,今日,表1でみられるように,いままで筆者がのべてきた,法律という面から,また経済という面から「医療」という制度にまつわる問題をみるとき,複雑な「医療矛盾」が存在していることを知ることができるのである。
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