教育技術ゼミ
教育工学(5)—オペラント条件づけ
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.42-43
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906176
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行動科学の成果を教育に適用するという意味での教育工学として,現在最も代表的なものは,プログラム学習であろう。プログラム学習という新しい教育方法は,この10年ほどの間に,世界の主要な国々で,学校教育や産業教育のなかに取り入れられるようになっているが,この方法の理論的な背景をなしているのは,B. F. スキナー博士のオペラント条件づけの理論である。
オペラント条件づけを説明するには,パヴロフの条件反応と比較することが便利である。ソ連の生理学者I. P. パヴロフが犬を使って条件反応の研究をしたことはよく知られている。彼は実験動物として飼っている犬が,実際にまだ餌を与えられないのに,餌を運んでくる音を聞いただけで唾液を分泌するのに気づいて,それから条件反応の研究をはじめたといわれている。その実験手続きは,大略次の通りである。
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