特集 教務への期待と提言
巻頭論稿 教師の地位と役割—教育を担当する人々のために
高倉 翔
1
1大阪教育大学
pp.2-7
発行日 1969年4月1日
Published Date 1969/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906147
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はじめに
教育は教師次第だ(as is the teaher so is the school)とまでいわれるように,教育における教師の地位と役割の追求,ないしは,「教師とは何か」という問に答えることは,教育の全体領域の中で,もっとも重要な課題の一つとされている。
全体を大きく二つに分け,まず第一に,教育における教師の役割の本質について述べてみたい。教師の役割を「教育権」という概念を手懸りについで第二に,教師の地位ないしは教師観について述べる。こんにち,教師の地位をめぐって,教師を(1)聖職に従事する者ないしは全体の奉仕者とする考え方,(2)労働者とする考え方,(3)専門職(profession)に従事する者とする考え方が混然として見出せる。教師の地位ないしは教師観について述べながら,「教師とは何か」の問いに答えてみたい。
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