特集 大学における看護教育—高知女子大学衛生看護科
総合看護へのあゆみ
木場 冨貴
1
1高知女子大学家政学部衛生看護学科
pp.42-48
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906138
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はじめに
数年来,総合看護ということが強調され,その基本的理念に基づいた看護教育の新しいカリキュラムは,昭和43年度の入学生より実施されている。高知女子大学衛生看護学科は開設以来,総合看護ということを明確な目標として定義づけてはいなかったけれども,その歴史より高い次元での総合看護へのあゆみであったといっても過言ではないと思っている。それは大学教育における一般教養を基盤とした広い視野とともに,理解力とか洞察力,あるいは判断力をもったナースを育てるということを主眼とし,最初から保健婦と看護婦の総合教育という形がとられた。
その中には,公衆衛生看護と臨床看護の連携あるいは病院から地域社会への一貫した看護の継続ということの必要性なども含まれており,病院とか保健所または学校保健などのいずれの分野に籍をおいても,同じ看護という立場にたてることを願ったわけである.同時に,昭和26年の学校養成所指定規則におけるカリキュラムの内容は,特に看護学校において,浸透教育という考え方のもとに,社会学とか教育学,あるいは公衆衛生的な科日が多くとり入れられた。そしてそれは保健婦学校のそれと重なるものも多かったと同時に,同じょうな科目をバラバラに積み重ねてゆくよりも,一貫した体系の中で教育されることはその教育的効果においてよりすぐれており時間的にも節約できたわけである。
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