特集 学生看護研究を指導する
事例 精神薄弱を伴っている左上顎骨腫患者の看護
菅原 和子
1
,
菅野 ふじゑ
2
1東北大医学部付属高看学校3年
2東北大医学部付属高看学校
pp.21-27
発行日 1969年1月1日
Published Date 1969/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906112
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
耳鼻咽喉科における看護は特に精神面の看護が重要だと言われております。耳が聞えなくなったり,声が出なくなったり,また顔面の変形をきたしたり,社会生活からの遮断を余儀無くされ,日常生活を営む上に大きな障害となる事がたくさん起きてきます。当患者の病名の骨腫は良性腫瘍で16〜20歳の男子に好発し,原因は明らかではないが外傷や骨の異常増殖に関係があると言われています。
組織学的には骨髄質の豊富な比較的軟かいものと,象牙質様の硬いもの,およびそれらの混合型のものがあり,いずれもその発育はきわめてゆるやかであります。当患者の骨腫はまだ若く,硬いことから線維性の骨腫と診断されており,症状は左頬部の腫張だけで疼痛はなく,日常生活は普通に続けていました。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.