学院長より一言
看護学院の直面する諸問題
後藤 光治
1
1大津赤十字高等看護学院
pp.40-41
発行日 1968年7月1日
Published Date 1968/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906038
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看護婦不足の原因は何か
看護婦不足の声をきくことも久しい。尤も最近は諸方面の努力により,この関係は多少改善の傾向が見えるが,それでも厚生省基準の所謂5,3,2を実施する病院はほとんど皆無である。かえって病棟の一部を放棄したり,電子観測器を設置したり,または看護学院新卒業生の勧誘に走り廻ったり,はては他病院従業員の引抜きを計って泥試合を続けたり大変である。たとえ設備を改善しても4床に1人の看護基準が相変らずのしかかってきて,まして産科に限り2床に1人の看護婦を望む如きは現在では見はてぬ夢物語に過ぎない。
看護資格を持つ者は多いはずであるが,その人々が家庭婦人として職場を離脱したり,養護訓導,保健婦などに転向したりする者が少なくないのが不足の原因と思われる。看護婦という業務は甚だ激務であり,昼夜の区別さえなく,責任も重いに拘らず,酬いられる所が少ないので,最近の婦女子はもっと勤務も楽で,身なりも奇麗で収入も多いをBG希望するものが多いのだとの声もあったが,最近の状態からはそうとも思えない。
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