教育学入門講座 教育・学習のしくみとはたらき【最終講】
教育改革について
森部 英生
1
1群馬大学
pp.580-586
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908271
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教育改革と審議会
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夕方5時ごろ,勤め先からの帰りがけ,息子が入院している病院に立ち寄ると,板の間のプレイルームでゼンソク児たちが数人,テーブルを囲んで食事をしている.黙りこくっていかにもつまらなさそうに食べているので,どうしたんだい,と聞いてみると子ども達は口をそろえて,食事があんまりまずいので声を出す元気もないのさ,と答える.見ると,どんぶり一杯のご飯,みそ汁,お皿には焼肉とトマトとキャベツが盛ってあり,小鉢には煮物,それとバナナが1本,といったメニューである.まずそうには思えない.どれ,おじさんにもちょっと食べさせろよ,と言いながら,子ども達の間に割り込んで味見をする.みっともないからよしなよお父さん,と息子は制止するが,4階の小児病棟まで階段を上ってきて,私は空腹である.
ね,まずいだろ.
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