整形外科philosophy
医学教育改革について
田中 清介
1
1近畿大学医学部
pp.53-57
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902615
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●今,間われる医学教育改革の必要性
21世紀を間近にする今,医学教育改革の必要性が問われています.20世紀はあらゆる分野の科学が驚異的に発展した世紀でありました.医学についても同様であり,とくに20世紀後半の進歩は著しいものがあります.1980年以降になると,コンピュータの発達が科学,産業の上で果たした役割は目をみはるものがあります.コンピュータ技術の進歩により,コンピュータは顕微鏡をはじめとして種々の医療機器に組み込まれています.その代表がCT,MRIであり,CTに使われるコンピュータは透過するX線量を計算する電算機にとどまらず,その画像情報は蓄積,管理,再生,さらには他所に伝達することができます.つまりコンピュータはインターネットを通して情報交換することができ,そのような情報交換の代表としてのEメールは今日では広く使われつつあります.さらにはコンピュータシミュレーションにより,バーチャルリアリティを表現したり,体験することができます.これを手術に応用すると,術前に正確な手術プランニングを行うことができるようになります.また,保存管理の悩みの種であった大量のカルテやX線フィルムがコンピュータ入力によりカルテ不要,X線フィルム不要になるのも間近いことでしょう.
戦前において医師はヒポクラテスの誓いを医の倫理の基準にしていました.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.