特集 昭和40年度看護教育研究会夏期講習会集録
シンポジウム
医療制度の現状と将来像
医療保障の立場から
近藤 文二
1
1関西学院大学
pp.48-50
発行日 1965年11月1日
Published Date 1965/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905948
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●看護婦の実働数は
しろうとの立場から思う存分いわせてもらいたいと考えております。まず第一に申し上げたいと思いますのは,看護婦というお仕事をなさっておられるかたと,社会保障との関係でございます。ここに持つてきておりますのは,渡辺花子というご婦人のお書きになりました「福祉国家イギリスと私たち」という本でございます。その中に,イギリスの社会保障制度が1948年から全面的に動く,その少し前の1943年に看護婦法というものを作りまして,補助看護婦,これは日本の準看護婦と同じような立場にあるものだそうですが,それと正看に当たる看護婦の登録と資格査定というものを,ひじょうにきびしく規定されておるのでありますが,同時に,看護婦さんが足らなければ社会保障はうまくいかないという考えかたから,1937年からすでに看護婦の獲得運動というものが起こっておりまして,37年から57年までの20年間に,イギリスの人口は2%しかふえていないのに,看護婦のかたは50%ふえている。しかもなおかつ看護婦の不足に悩んでいるといったような事情を書いておられるのであります。
厚生白書の中に看護職員の不足は最近2〜3年に養成施設への入学者が確保されたことにより愁眉を開いた形であるが,需要を満たすには足りない。
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