教育技術ゼミ
授業の工夫(1)—目標の明示と能動的学習
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.50-51
発行日 1967年8月1日
Published Date 1967/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905866
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■授業における学生の反応
先日ある看護学校の先生たちと話していた時に,一人の先生から「講義に対して露骨につまらなそうな顔を見せる学生がいるので困ってしまう。講義の内容が理論的なものなので,それがすぐ臨床実習に役立たないという点に不満があるらしい」という話がでた。それで一しきり学生の受講態度ということについて話がはずんだのだが,教師にとって自分の講義が学生に受け入れられていないことを自覚した時ぐらい,いやな気持のすることはないという点では皆の意見は同じであった。
学生がどんな顔つきをしていようと,あるいは自分の講義を聞いていようといまいと,そんなことには一切おかまいなしに,予定した講義をどんどん進めてゆく教師もないわけではないが,そういう教師は恐らく極く少数であろう。大部分の教師は講義の間で多かれ少かれ学生の反応を確かめながら授業を進めてゆくだろうし,自分が一生懸命講義をしているのに,学生が集中してない場合には,講義をする意欲をなくしてしまうだろう。こうした経験は多くの教師が共通に持っていることだといってよい。
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