連載 師長の臨床・5
経験(受動)から引き出される能動的なふるまい
佐藤 紀子
1
,
上野 幸子
2
1東京女子医科大学看護学部看護職生涯発達学
2KKR札幌医療センター
pp.60-63
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102675
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私が「看護師の臨床の知」に関する研究を始めて25年の年月が経過した。私は多くの看護師に臨床,つまり「看護師とクライアント(患者および重要他者)が偶然出会う場」での経験を記述していただき,さらにはその詳細についてインタビューや事例検討などの方法で語っていただきながら,研究を進めてきた。
師長や看護師の臨床は,地域性や病院の規模や理念,ともに働く医療チームなどの影響を強く受け,その置かれている状況もまた固有の世界である。このため,師長や看護師の臨床を読み解くためには,置かれている状況の差異を念頭に置きながらの作業となる。ここで重要なのは一般論としての経験ではなく,むしろその人個人の経験であろう。
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