連載 コミュニケーション講座・5
コミュニケーションの構造(1)
杉 政孝
1
1立教大学
pp.69-72
発行日 1966年10月1日
Published Date 1966/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905718
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
コミュニケーションとは,送り手から受け手への意味の伝達である。そして,われわれにとって,送り手は看護学院や保健婦学院の教員であり,受け手は学生である。したがって,そこで問題となるべきコミュニケーションは,原則として直接的であり,しかも対象者たる受け手の数もあまり多くないので,構造的にマス化してもいない。しかし,だからといって,たとえば家族の間に成立するような,人間が互いに心の内面までをひらいて全生活的全人格的に触れ合うパースナルなコミュニケーションができるわけでもない。学院は,小規模なりといえども組織的な集団であり,教育目的にそうための制度的なコミュニケーションが必要だからである。マス・コミュニケーションでもなければ,私的なパースナル・コミュニケーションでもない学院のコミュニケーションは,それではどのような構造のものとして理解すべきであろうか。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.