連載 コミュニケーション講座・8
コミュニケーションの内容(1)
杉 政孝
1
1立教大学
pp.66-69
発行日 1967年1月1日
Published Date 1967/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905757
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コミュニケーションの当時者が送り手あるいは受け手と呼ばれるのは,前者から後者に向ってある意味内容が伝達されていることを意味する。すなわち,コミュニケーションは送られるべき意味内容を間にはさんで,送り手と受け手なる入が両側に位置するメカニズムとして理解できる。個人または集団を単位とする一組の人間関係において,一方が送り手と呼ばれ,他方が受け手と呼ばれるのは,前者が後者に伝えるべき内容を持っており,しかも後者がそれを受け取る意欲を有するからである。
この講座においては,コミュニケーションの内容の分析に先だって,送り手および受け手の説明をしてしまったが,実は両当事者のうちのどちらが送り手になり,どちらが受け手になるかは,伝達されるべき意味内容のいかんによって決まるのであるから,送り手受け手という役割関係は,実はコミュニケーションの内容の理解と組合せて考える時にはじめて意味を持ってくる。
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