教育トピック
ティーチング・マシン(続)
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.30-31
発行日 1965年9月1日
Published Date 1965/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905510
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□テスティング・マシンとチューター
ティーチング・マシンが広く教育界の関心を集め,実際に学校教育や産業教育で利用されるようになったのは,アメリカでもほぼ10年ぐらい前からである。しかし,ティーチング・マシンの原型はすでに1920年代に作られ,実験的に使用されていた。それはオハイオ州立大学で教育心理学を教えていたS. L. プレッシイの考案したものであるが,彼がそれを学会に発表したのは1924年である。彼はこのマシンについて「テストし,採点し,そして教えもする簡単な装置」という論文を発表している。この論文の題目からも想像されるように,プレッシイのマシンはティーチング・マシンというよりは,テスティング・マシン(テストする機械)といつたほうがふさわしいものであった。
プレッシイのマシンでは問題提示窓に多肢選択の問題が提示される。選択肢は普通4つであり,マシンにはそれぞれの選択肢に対応する押しボタンがついている。生徒は問題提示窓の問題を読み,与えられている選択肢のうちで自分が正しいと思うものを選び,それに対応するボタンを押す。生徒がどのボタンを押したかはマシンの記録装置に記録されるから,生徒が一連の問題に答え終わった時には,同時に採点も終わっていることになる。
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