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アメリカの看護学校寮規則
今井 敬子
pp.53-56
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905355
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留学中に寮の引っこしが全部で7回くらいあった。引っこしは自分の意志でしたのではなく,実習や,古い寮のとりこわしや,新しい寮の完成といったいろいろな理由によるものである。古いのは100何年前というのから新しいのは新築初日というのにいたるまで,いろいろな寮のたてものに住んだ。日本にいた時は看護学校寮に住めなくて自分の家から学校にかよい,卒業して数ヵ月だけ看護婦寮に住んだが,結構,寮生活を楽しみ,同室の看護婦さんたちといっしょにテレビの体操番組などに出演したり,のんきに暮らしていた。近ごろの看護学校の寮生の意見を聞いてみると,寮生活に拘束されて,自分の生活が縛られておもしろくないとか門限や規則がやかましくてとか,いろいろ便利な点はあるが,問題があるというらしい。それで,ここにアメリカのある寮の規則をちょっと紹介してみるのもおもしろいと思う。
だいたいアメリカでは病院制看護学校の学生は100%の全寮制である。アメリカの看護学校の寮の建物は,立派なもので,ちょっとホテルのようなところさえもある。口の悪い医師が言っていたが,立派なモダンな寮でよい看護学生を釣るそうである。それというのも看護学生の立派な寮にくらべて,医学生のほうの寮はあまりぱっとしない場合が多い。エレベーターつき,冷房暖房装置つき,モダン鉄筋コンクリートの寮にどんな規則がおいてあるであろうか?私生活という点からみた規則のいくつかをひろいあげてみよう。
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