グラビヤ
活躍する選手のかげに—東京国際スポーツ大会医療救護活動
pp.33-36
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905227
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今年はいよいよ“東京オリンピック”の年。そのリハーサルともいうべき東京国際スポーツ大会が去る10月11日から6日間,国立競技場をはじめ,17の会場で行なわれた。各会場は連日満員。中でもメインスタジアムである国立競技場は,開会式の入場行進から5,000羽のハト,5,000個の色とりどりのふうせん,緑の芝と赤いアンツーカーなど外国選手を迎えるにふさわしい雰囲気。数々の新記録もでた。その中で,役員,選手,観客の救護にあたった医療救護班の活やくに注目したい。大学病院,都立病院,武蔵野日赤,体協医事部から派遣された医師,看護婦,事務員の数はのべ230人余り。医師1,看護婦1,事務員1を1チームとして救護にあたったこのほか消防庁支援の担架隊,救急車が待機、看護婦さんは医師の介助のほか,医療薬品,器材の点検と常に準備万端ととのえ,補給の必要あるものは請求書に記載するなど,日に日に患者の多くなる中で目のまわるような忙しさ。組織委員会事務局の医療担当者鈴木章文氏は「この大会はすべて東京オリンピックのためのリハーサルです。前回のローマ・オリンピックでは,設備,人員の点でスケールが大きく,わが国とは格段の差がありますが,すべてこの国際大会の結果を参考にして検討します」と語っていた。各病院の看護婦さんたちも,この大会には非常に積極的で,オリンピックには若い人を派遣するんだからといって主任クラス以上がきているのだそうだ。
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