病棟管理
部下にしっかり仕事をさせるには—外科のケース
青木 アキ
1
1都立広尾病院
pp.42-43
発行日 1963年7月1日
Published Date 1963/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904406
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まず人間味のある看護婦に
どうすれば自分の病棟のスタッフたちに張切って仕事をしてもらえるか,またお互いに協力し合って明かるい雰川気の中で自分の持つ能力を十分に活用し,看護のよろこびを感じながら働けるかという事は,一口に申しますならば,“良い人間関係”にあると信じております。
外科病棟においては患者の動きも激しく,また患者の大部分が手術という試練に耐えるために,入院してくる事が多く,その手術に対してひじょうに不安な心理状態にあり,その時“この看護婦なら”という安心感が満たされた時,患者は精神的に安心し,信頼して治療看護を受けることができます。いかに医師が卓越した手腕をふるっても,これに伴う合理的な看護がなかったなら,診療の成果はあがらないことはいうまでもありません。この意味からも,看護婦はよく自己の責務の重大さを自覚し,職業人としての責任ある態度が望ましいと思います。ある時は,患者や家族の心を越えて行動しなければならない時もありますが,看護の対象は申すまでもなく,疾病そのものではなく病に苦しんでいる人間なのですから,深い愛情と観察力を持った人間味のある看護婦でなければならないと思います。
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