特集 新教育制度と教育内容
看護教育におけるカリキュラムの変更とその考え方
まず教育制度の検討から/チーム・リーダーである看護婦のために
永野 貞
1
,
海川 はるよ
2
1厚生省
2日赤幹部看護婦教育部
pp.161-162
発行日 1961年4月1日
Published Date 1961/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663904003
- 有料閲覧
- 文献概要
看護学校におけるカリキュラムの改正を問題とするまえに,教育制度そのものについて検討する必要がある。戦後すでに十数年を経過して,看護教育に関する経験も充実してきたし,新しい時代の要望にもとづいて考えてみるとき,どうしても教育制度そのものの再検討が必要である。その根本が確立しなければ,はっきりしたカリキュラム改正の線も出て来ないのではないか。しかしカリキユラムも実質的にはずいぶん変わりつつあり,今後の改正でも,従来ばらばらになっていたものを統一したり,無駄や重複をはぶいたり,新しい科学的技術などを加えたりすればよいのであって,それほど根本的な改正の必要はないように思われる。
また看護業務の中において,医療介助よりは,ナース自身の判断で行なわなければならない独自の業務が確立してきているので,ますます人間的な広い見識と深い専門技術とが必要であり,そうした総合的判断力を養うためにも,看護学校における一般教養科目の増加は,きわめて大切なことである。しかし,いたずらに教養学科の講義をふやすだけでは能がなく,学び方の選定にこそ問題がある。現在のように病院経済におぶさっている段階では,あれもこれもと全部を要求しても無理で,たとえば予習・復習の時間を十分にとって,それを自分のものにするシステムを作るとか,クラブ活動やサークル活動を盛んにするとか,とにかく自分たちの意慾を燃やして勉強する方法を工夫しなければならない。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.