病院側から教務へ
患者心理の把握を重要視せよ/強い責任感を持って
坂田 外吉
1
,
松永 周三郎
2
1国立高田病院
2京都第一赤十字病院
pp.5-6
発行日 1961年1月1日
Published Date 1961/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903964
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教育ということは何の教育であっても仲々むつかしい問題であることは当然のことであるが,新しい近代的脚光をあびて来た看護教育にも多数の複雑な進むべき,また進めなくてはならぬ問題があるであろう。「幹部看護婦講習会」「看護学校専任教員講習会」など,まことに結構な仕組みで期待すること多大である。看護婦の仕事すなわち任務は何かという命題が判然として,各々に自覚徹底すること,そして各自がそれに向かって精進することになれば,看護教育の目的がほぼ達成せられることであるが,それまでが前述の通り教育のむつかしさ,教育者の苦労の並々ならぬところ,教育者の人格,素質,教養などにも関係することになってくる,格段の修養勉学が要請せられる所以でもある。しかも教育を受ける側の看護婦あるいは看護生徒は各所定のコースをとって教育せられる身分になったのであるから,とにかく不出来の者が中にあっても,放り出すことが教師側として出来ないわけであるから,教師側としてはなかなか忍耐強いところがなくては自分の任務が遂行出来ないわけで,この点教師の方々に深大の同情をよせなくてはならぬ。
看護婦に看護技術を教えこむことは勿論であるが,微に入り細にわたるようなことも必要かも知れぬが,むしろ原理を充分教え自主的能動的に工夫勉強せしめる意欲的な方向にもって行く教育方法でありたい。万遍一律,型にはまった教育はあまり受け取りにくい。
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