発行日 1952年4月15日
Published Date 1952/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907028
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借りていた友人の大切な鳩を誤つて殺してしまつた一少年が,それをつぐなうために家出をして働き,費用をつくる努力をした話は新聞紙上に傳えられ,其の少年らしい純情と責任を完了する誠實さを戰後のアプレ時代にはすがすがしい佳話としてよんだ者の胸にひびいた事と思います。
「自分の事は自分でするという教育は自分の言動に責任をもつという人間世界の常道を教えるものでありましよう。言を左右にして自分の言動を否定しないまでも,はつきりと自らの責任のとれない人間は,人間としてはくずのくず,一片の評価の價値もないものだと思います。人は相互に夫々自分己に關する責任をもち合つているからこそ,凡てのものごとは圓滑にゆくのであつて,その誰もが責任を遂行しなかつたら,社會は破れ,秩序は亂れ事件事故は相ついでおこり到底平和は保ち得ないでしよう。
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