Japanese
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研究と報告
味覚における季節感の把握と精神症状の推移
Die Jahreszeitsempfindungen im Geschmackssinn und die Verläufe psychotischer Erscheinungen
人見 一彦
1
Kazuhiko Hitomi
1
1神戸大学医学部精神神経科
1Neuropsychiatrische Abteilung der Universitätsklinik Kobe
pp.153-158
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202440
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Ⅰ.まえおき
従来より,生気象学の一分野として,「疾病と季節の関係」が研究され,種々の疾患に関して,いわゆる「季節病カレンダー」などが作られており4),また特に昔から一般にいわれているように,精神病の発生とその季節的変動についても文献的考察と報告がなされているが1),それらは「季節の変化」という,いわば物理的な変化と種々の疾患や臨床症状との関係を調べようとするものである。ここではむしろ反対に,精神病者にとって,果物の味覚を通じて,季節感がどのような主観的体験にもとづいて把えられているのであろうか,そしてそれをもし把握できるならばさらに症状経過などともある程度の関連性が求められはしないだろうか,ということを目的にして以下のごとく,症例の検討を行なった。
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