特集 現代の家族―神話を超えて
家族の中の暴力への援助とは
信田 さよ子
1
1原宿カウンセリングセンター
pp.636-640
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903896
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私はカウンセラーとして長い間家族の暗部を絶えず見つづけてきたせいか,家族についてそれほどの幻想も持てなくなっている.マスコミなどを通じて子どもの虐待死が世間を騒がせている.東京都の調査結果によると,虐待者の約半数は実の母親であり,20数パーセントが実の父親であるという.このような結果を知って多くの人たちはどのような感想を抱かれるのだろうか.また「DV防止法」が施行され,女性が夫や恋人に殴られることが犯罪として認定されることになった.法の運用についてはまだまだ私から見れば問題点もあるが,従来に比べれば画期的変化であることは間違いない.男性が,家族という密室の中でどれくらい妻を殴ったり傷つけてきたのかということが,今後さらに表面化していくだろう.
家族の中の暴力の全体像は,次のようなものである.
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