特別寄稿
「家族間暴力」における最近の動向
遠藤 優子
1
1遠藤嗜癖問題相談室
pp.461-464
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100404
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一昔前までは,「家族間暴力」と言えば思春期の少年が親に対して行う,青春期対親暴力のことであった.これは,今でもなくなっているわけではない.筆者は全予約制の有料カウンセリングルームである「遠藤嗜癖問題相談室」(以下E相)を開業している.そこにもこの問題に関するカウンセリングを求めてくるケースは,この12年間常になくなるということはない.しかし最近では,こうしたケースの報道はあまり目にすることは少ないようである.
これに変わって毎日のように報道を賑わしているのは,親による児童虐待の悲惨な事件である.また家族内の介護者による要介護高齢者虐待や,夫婦間暴力(以下DV)についても,法整備の問題もあって専門家の関心を引いている.
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