連載 晴れたらいいね!2足のわらじの自分予報・12(最終回)
学生だから見えたこと
荒尾 晴惠
1
1千葉大学看護学部
pp.135
発行日 1997年2月25日
Published Date 1997/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903786
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まったくうちの学生ときたら
先日,ある看護短大の先生の「まったくうちの学生ときたら,講義の終了15分くらい前にやってきて,平気で出席つけていくのよね.医師に非常勤で講義を依頼しているからこっちはハラハラしちゃって」という嘆きを聞きました.いずこも同じと思いながら,考えたこと.その1,学生は出欠が評価に関係すると知っていて,どうしても「出席」にしなけなければと思い講義に出たのであって,出席をつけたことで目的は達成した,残りが15分だろうが30分だろうが関係ないのです.その2,講義をしている医師も学生の時は同じようなことをしていたかもしれないので,よほど許容範囲の狭い人物でなければ,しゃにむに怒りはしないでしょう.
こんなことを自分が考えるようになるとは,3年前には思いもしませんでした.3年間「大学生」をして,学生の立場から都合のよい解釈をしているかもしれない自分を発見して少々戸惑ってもいますが,おそらく3年前の私は短大の先生と同じように嘆いていたと思います,そして学生がちゃんと時間に来るにはどうしたらいいか,講師に失礼のないようにするにはどうしたらよいかとあれこれ悩んだに違いありません.自分が受けてきた看護教育の中で,講義に遅刻することは先生に対して失礼なことだということが身についていました.つまり,先生の存在を意識しながら講義を受けていました.
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