米国における看護教員の学究的パワー―JNE（Journal of Nursing Education）31巻（1992年）7号から8号の途中までの概要

　今回紹介する7編の論文は，ほとんどが調査研究である．その中で，看護教員として働きながら，同時に博士課程に在籍している学生を対象にした調査があった．研究内容とは直接関係していないが，そこで報告されている看護教員のデータは，米国の看護教員の学究的パワーを感じさせる．わが国においては，まず受け皿である博士課程そのものが少なく，まして社会入学生の枠がないのが現状である．しかし，わが国においても，看護教員の潜在的な学究的なパワーおよびニードはかなり高いと感じている．そのニードに応える修士課程・博士課程の充実が望まれる．

　老人看護学や家族看護学の講義内容に関連した2論文は，部分的にしか紹介できなかったが，非常に興味深い内容であった．その領域の担当教員にはぜひ全文を読むことをお勧めしたい．