連載 解剖からみるフィジカルアセスメント 訪問看護必携ノート・18
睡眠
三井 明美
1
,
小野 美穂
1
,
森山 信男
2
,
安酸 史子
2
1岡山大学大学院保健学研究科修士課程
2福岡県立大学看護学部
発行日 2003年12月25日
Published Date 2003/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903555
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レム・ノンレム睡眠について
大脳の発達が著しい高等脊椎動物にはレム睡眠とノンレム睡眠がみられます.レム睡眠は急速眼球運動:rapideye movementの頭文字REMからつけられています.閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろと動く状態です.体は横になって筋肉の緊張が低下しています(脳の活性化,俗にいう身体の眠り)が,脳が醒めた状態に近く,神経活動が活発で,夢を見ていることが多い眠りです.ノンレム睡眠(レム睡眠でない眠り)は安らかな眠り(脳の沈静化,俗にいう脳の眠り)で,ヒトでは,浅いまどろみの状態から,ぐっすり眠っている状態まで,4段階に分けられます.入眠時すぐに現れるのはノンレム睡眠で徐々に深さを増していき,その後,徐々に浅くなってレム睡眠が出現します.この一回のレム・ノンレム睡眠の繰り返し(約90分)を睡眠周期といい,一晩で4-6回あります.最初の2単位(寝入りばなの約3時間)は質のよい深いノンレム睡眠(熟睡)で,以後は浅いノンレム睡眠とレム睡眠の組み合わせです.各単位の終りは目覚めやすく,目覚めの気分もよいのです.
私達は日々のストレスを,夢を見ることで解消しているといわれています.睡眠時間が少なくなると睡眠の後半に出現するレム睡眠が減少して,イライラしたり,疲労感を自覚するのです.レム睡眠は加齢に伴い減少し,全睡眠時間中のレム睡眠の割合は新生児50%,幼児40%,成人20%,高齢者10~15%です.
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