特集 学生の問題にどう対応するか
[座談会を読んで]「いま」を大事にするということ―精神科医・服部祥子氏に聞く
服部 祥子
1
1大阪人間科学大学
pp.192-197
発行日 2003年3月25日
Published Date 2003/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903371
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カウンセラーはコーディネーター
もし学校にカウンセラーがいれば,教員は,学生にカウンセラーのところへ行くように言うことができます.行くか行かないかは学生本人の決定だけれども,なるべく上手に行かせるというのは教員の腕前です.水を飲みに馬を川につれていくことはできるけれども,川を引き寄せることは難しいですよね.でも川までつれていくことはできるし,入り口ぐらいまでは教えてあげることができます.
カウンセラーの役割というのは,1対1の関係性の中で相手の一番の問題を聴き,整理して,自分で考える力,自己決定力を回復するようにサポートしてあげることです.その際に,カウンセラーというものの役割をどう考えるか.学校の中の一員としてのカウンセリングというのは,市井のカウンセリングとは違うので,訪れる学生も,ここは学校のスタッフ的な人が自分の話を聞いてくれるところだということを了解しています.
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