特集 クリティカルシンキングのスキルを育てる
第1部 クリティカルシンキングとは何か
臨床におけるクリティカルシンキングの意義と必要性
前田 三枝子
1
1群馬大学医学部附属病院看護部
pp.927-932
発行日 2002年11月30日
Published Date 2002/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903310
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クリティカルシンキングとは
本稿をわかりやすく読んでいただくために,まず簡単にクリティカルシンキングについて説明しておこう.「クリティカル」という言葉は,分ける,決めるといった意味を表すギリシャ語を語源とする.臨床では病状の分岐点や転換点を指し,「クリティカル・ポイント」といった使い方をしたり,生死をさまよう重症患者を示す「クリティカル・ペーシェント」といった使い方がされる.一般には,批評家や評論家を指す「クリティック」や批評する・非難するという動詞の「クリティサイズ」という言葉として使われることが多い.一方,「シンキング」という言葉は,考え,思考の形容動詞で,「クリティカル」とあわせて,「批判的思考」と訳される.本来の意味から考えると「何事かの分かれ目に臨んで,方向を選択決定する際の態度・知識・技術」となるが,長くなるので,「クリティカルシンキング」とそのまま使うようになっている.
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