遠隔教育による学生の専門的社会化／臨床指導者の能力の調査―JNE（Journal of Nursing Education）40巻7号，8号前半より

　JNE40巻7号では，看護における遠隔教育ならびに情報科学活用能力というきわめて今日的な課題に取り組んだ研究が主たる内容をなしており，4つの機能レベルのナース（新人，熟練ナース，コンピューターナーススペシャリスト，看護情報科学者）に求められる具体的な情報科学活用能力（informatics competencies）のカテゴリー化の試みなどが紹介されている．他には，専門的社会化というテーマをめぐるカナダでの研究が紹介され，さらに最後の論文で臨床実習でのコンピューター学習と伝統的教授法の有効性の比較が行われている．

　また8号前半では，看護臨床研究に比べ教育研究に十分な資金助成がなされていない現状とその重大な影響が論じられている．最初の論文では大学教育におけるEmpowering（主体的な問題解決行動の促進）とEnabling（依存的行動の助長）の概念が定義され，それらが看護教育で持つ意味の追求などが報告されている．