特別寄稿
臨床におけるリスクマネジメント教育―基礎看護教育の学習は臨床でどのように系統立てられるか
近藤 美知子
1
,
秋吉 静子
1
1国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院看護部
pp.1082-1087
発行日 2001年12月25日
Published Date 2001/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902654
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はじめに
当院は救急医療を主体とした横須賀・三浦半島地区の中核病院である(表1).看護提供方法に固定チームナーシング型継続受持ち方式を導入しているが,その目的は,看護婦各自が受持ち患者に対し責任を持って安全・安楽で良質な看護を提供することにより看護婦・士の成長促進を図ることと,医療事故予防の視点からも,受持ち患者の病態を理解した上で診療補助や看護実践することが重要であると考えているからである.
当院では,1999年以降,院内メディカルリスクマネジメント(以下,MRM)委員会を発足させた.目指しているところは,医療チーム全体で各部門の専門職がチームモニター機能を発揮し,患者・家族と共に医療事故予防ができることである.さらに看護部では,院内MRM委員会の下部組織として2000年1月に看護部MRM委員会を発足させた.主な目的は,看護部門のケースレポートの集計・分析によりインシデントやアクシデント発生の背景・原因を分析し,事故防止対策を臨床に浸透させることにある.また,看護婦各自の医療事故予防に対する意識づけとセルフモニター機能の向上を図るために,事例の分析や看護業務改善と共に,看護教育委員会と連携し看護婦・士の医療事故予防教育に重点をおいている.
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