焦点
医師として,官僚としての責任の重さ
大谷 藤郎
1,2
1国際医療福祉大学
2高松宮記念ハンセン病資料館
pp.610-612
発行日 2001年8月25日
Published Date 2001/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902553
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今年連休明けの5月11日に,かねてハンセン病療養所入所者と国の間で係争中の「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟の判決が,熊本地方裁判所で下された.
判決は,第1には,同法(新法)が制定された1953年前後の医学的知見などを総合すると,遅くとも1960年以降は,ハンセン病隔離の必要性が失われていたこと,したがって厚生省は,その時点で隔離政策の転換をする必要があったにもかかわらず,これを怠った.この点について,厚生大臣の職務行為に国家賠償法上の違憲性および過失があること.
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