特集 21世紀を歩むナースたちへ
河村郁さんとわたし
べっしょ ちえこ
pp.1014-1015
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902404
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二冊目の伝記として書かせていただいた『河村郁―悲しみの阿修羅』は,自分で言うのも何だけど精も根も尽き果てるほど力を注いだ労作だった.しかし労作必ずしも傑作とはいかないのがつらい.たぶん当方の筆力の乏しさのせいだと思うが発表後反響は皆無だった.
ところがあれから16年たったいま,ミレニアムの節目を記念して,この百年のあいだ看護界で出色の活躍をした人物にあらためて登場してもらおうという企画が本誌で持ち上がった.その中に河村さんの名も挙がり,ついでに語り手として私までが引っぱり出されてしまったのだ.16年まえ,ようやくの思いで最終稿を書き了えた時は,さながらレモンの絞りかすのように疲弊していたので,よもやまたこの人について筆をとることになろうとは夢にも思わなかった.因果はたしかに巡るのである.
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