連載 看護教育・徒然なるまま・4
看護技術
佐藤 紀子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.877
発行日 2000年11月25日
Published Date 2000/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902376
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基礎教育では,さまざまな看護技術について多くの時間を使って学生に講義し,演習を重ね,臨地実習に向けての準備をしている.ビデオ教材やシミュレーションのできる人形も開発され,自分の時間を使って練習したり,視覚から学ぶこともできるようになってきた.内容もベッドメーキングに始まり,バイタルサインの測定,清潔への援助,排泄への援助,食への援助など,看護婦であれば誰でも思い浮かぶ古くて新しい技術がいくつもある.これら基本的な技術も,バイタルサインの測定などはより系統だった知識や考え方に基づいたフィジカルアセスメントへと発展し,内容は複雑化していることもまた事実である.知識が蓄積され,系統立てられて教授できるようになったことは素晴らしいことである.
しかし,これらの技術は臨地実習の場面でどれほど用いられているのだろうか.臨地実習が「見学」主体の実習になっていることが指摘されているが,果たして現実はどうなのだろうか.現場のナースたちは基礎教育で学んだ技術を駆使して仕事をしているのだろうか.
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