連載 看護教育・徒然なるまま・8【最終回】
手術室看護
佐藤 紀子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.241
発行日 2001年3月25日
Published Date 2001/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902473
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一昨年から昨年にかけて,手術室看護に携わるナースや教員で,手術室看護の専門性とその獲得過程に関する研究を行い論文にまとめた1).きっかけは私の長年の研究テーマである「看護婦の成長」に関心を持った女子医大手術部の婦長からの依頼により,手術室における看護の専門性やキャリア開発に関する講演を引き受けたことだった.手術看護学会での講演だったので,聞き手は手術室で仕事をしている看護婦・士(以下,看護婦)が中心である.私自身は実践経験のない領域だが,周手術期看護については学生の講義を担当していることもあり,大いに関心のある分野であった.そこで一念発起して研究として取り組もうと考えたのである.
昨今の日本の医療システムの変化を見ると,化学療法やリハビリテーションなどは,すでに外米や専門施設,また地域・在宅での治療が行われるようになってきている.しかし,手術療法は病院内でしか行われない治療であり,21世紀には急性期医療を担う病院の中心的治療となるであろう.そこで東京女子医科大学の手術部のエキスパートナース注),看護婦のキャリア開発に関心のある教員,手術室看護の経験を持つ教員に声をかけ,研究をスタートさせた.質的な方法でデータを集めることにし,8年以上の経験を持つ手術室看護婦,外科医,看護管理者へのインタビューを行い,分析を重ねた.
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